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ピアノの構造 〜音色の美しさに迫る〜

こんにちは!
東京都内を中心に、関東近郊に20か所ほどある完全個人レッスンのピアノ教室、エルピアノスクールのブログです。

突然ですが、ピアノが出す音色と聞くと皆さんはどんな印象をお持ちになるでしょうか?

「透き通った音?」「繊細で悲しげな音?」「心弾む力強い音?」「それともきらびやかな音?」、、、。

今回は「ピアノの構造 〜音色の美しさに迫る〜」ということで、ソロにも伴奏にも大活躍のピアノの音色について少し書かせていただければと思います。(詳しく書くとキリが無いので、「少し」です(汗))

それでは、いってみましょう!


ピアノの構造 〜音色の美しさに迫る〜

◆ピアノの弦の張り方に秘密が?◆


まずは音が出るまでの構造、過程についてお話します。

ピアノの中には ピアノ線と呼ばれる弦がそれぞれの鍵盤の音の高さにあう長さで張られており、鍵盤を押すとその奥にあるハンマーと呼ばれるものが張られている弦を打ちます。そしてそのハンマーで弦を打つだけではなく、さらに楽器全体を響かせることによって音を出しています。

具体的にはハンマーで打たれた弦は端が駒で支えられており、その駒は響板(グランドピアノまたはアップライトピアノの共鳴体。簡単に言えば弦の振動を増幅する)に載っています。

響板が空気を振動させることで、より大きな、そして豊かな音を得ることができるのです。



そしてピアノの弦を張っている方法には音を豊かにする工夫がなされています。

ピアノ内に張ってある弦の本数は、一体何本張ってあるのでしょうか?
「鍵盤が88鍵盤だから88本?」いいえ、実はモデルにもよりますが230本前後張られています。つまり、ひとつの音に対して複数弦が張られている音域があるのです。

中音と高音はひとつの鍵盤に対して3本ずつ弦が張っており、低音は最低音に近づくにつれて3本、2本、1本と減らされています。

これら複数の弦を張っている理由は音量を大きくするという目的もありますが、それだけでなく音の響きを豊かにする目的でもあります。複数の弦を同じ音程に調律していても、ハンマーの当たり方や弦の支持位置が弦ごとに異なることでそれらの弦は等しい弦振動にはならず、打弦後の余韻を生じさせて豊かな響きにさせているのです。

さらに音の長さにも影響があります。

1本ではハンマーが弦を打ったあとは音が減衰していくだけですが、複数張られていることで弦を打った後の余韻にふくらみができて、サスティーン(サステインとも。英語で「支える、持続させる」と言う意味の動詞で、音楽においては楽器の音が発生してから音が途切れるまでの余韻を指す)が長くなるのです。

また、弦の種類についても音域によって使い分けられています。

低音から高音になるに従って弦の長さを短くしているのは当然のことで、弦の太さも段階を追って変えてあり、高音に行くほど細くなります。さらに低音は巻き弦が使用されていますが、中音と高音は銅線を巻かない裸線を用いています。ギターなどとも同じですね。

さらに、1本の弦でも音色を豊かにする工夫がなされています。

弦の両端を支えているのは、一方が駒で、もう一方は中低音域ではアグラフ、高音域ではベアリングという部分です。その間が有効弦と呼ばれる部分で、真ん中のラの音なら440ヘルツ、つまり1秒間に440回振動します。

高音域ではこの前後に前方弦、後方弦という共鳴部分を設けていて、これが有効弦の振動に共鳴して振動することで、音の魅力が増します。

共鳴部分が全くないと音色が単純になってしまうのです。(ちょっとややこしくなってきましたね(汗))


◆調律方法にも秘密が?◆


インハーモニシティ(inharmonicity)という普段聞きなれない言葉があります。これは不調和度と呼ばれ、弦楽器特有の現象です。

音は基本的に「基音」と呼ばれる音と、その上に「倍音」という音が乗っかっています。たとえば「ラ(A)」の音が440Hzであるとすると、基音の440Hzだけが鳴っているわけではなく、その上の倍音、整数倍の周波数をもつ音も同時に鳴っているのです。

しかし基音に対して整数倍で聞こえるはずの倍音が、弦の長さと曲げ剛性によって若干高くなってしまうこと。これがインハモニシティー、不調和度です。

したがってピアノの調律では、オクターブ上の音程を単に周波数倍にしてしまうと、実際には倍音との周波数の差でズレが生じてしまい、ウネりが生じてしまいます。そのため高音をわずかに高く、低音はわずかに低くチューニングする「ストレッチチューニング」という方法で調律されています。

こうすることでピアノ特有の広い音域で音を同時に出しても綺麗な響きになるのです。(ややこしい場合は、「すごいことをしているんだな!」ということで大丈夫です(^^))


◆響板と呼ばれる部品◆


音の響きに影響する部品、「響板」は、ピアノの心臓といわれているほど重要な部分です。

鍵盤を叩いて連動するハンマーがピアノの弦を叩いた際に出る音を増幅させたり、豊かにするための役割を果たします。材質は木材から作られていますが、良質な木材であればより響きの豊かな音を奏でます。

ではなぜ響板は木製なのでしょうか? 音を増幅するだけなら、金属製の方が振動の面では有利に思えます。

その理由は「音色の調整」という役割があります。金属ですと振動はもちろん伝わりますが、金属特有の嫌な高い音まで響いてしまいます。

先ほどご紹介させていただいた動画の中にも説明がありましたが、響板が木製であることによってその嫌な高音が吸収され、人が心地良く感じることのできる温かなやわらかい音になるのです。

低い音も高い音も同じように増幅してしまう金属と違って、木は低い音だけを増幅し、高い音は逆にカットする性質があるのです。そのため響板には木材が、特にスプルースに代表されるエゾマツ材が好まれます。

すごい仕組みですね(驚)

スプルースは楽器部材の中でも「弦の振動を増幅するのにロスがない」、「音響伝播速度が速い」など、音響特性に優れているのが特長で、音と密接に関係する響板や響棒に用いられています。

もちろんピアノそのものの材質、木材も当然出音と密接な関係があります。



はい、ということでいかがでしたでしょうか?

ピアノは数多くの部品が組み合わり、それぞれの持ち味が活かされて綺麗な音として出てくる楽器です。

ピアノの演奏を聴く際、よろしければ曲だけではなくピアノの音そのものや構造などにも注目して鑑賞してみるのはいかがでしょうか?

もしかすると新たな発見があるかもしれません!


それでは本日もお読みいただき、ありがとうございました!



〜無料体験レッスンにも是非お気軽にお越しくださいね♪〜




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