こんにちは!
東京都内を中心に、関東近郊に20か所ほどある完全個人レッスンのピアノ教室、エルピアノスクールのブログです。
いきなりですが、みなさんはどのピアニストがお好きでしょうか?
最近ですとメディアやSNSが発達して、素晴らしい音楽家を見つけたり演奏を聴ける時代になってきました。そのため若くして世間に名を轟かせるピアニストが非常に多くなってきたと感じるこの頃です。
最近ですと「かてぃん(角野 隼斗)」さんや、「反田恭平」さん、「小林愛実」さんといったピアニストがショパンコンクールでも注目され、メディアでも良く取り上げられているなど、ファンの方も多いのではないでしょうか。
そんな素晴らしいピアニストがどんどん出てくる中で、私たち音楽家が同じ世界で生きていくにはかなり大変なことであります(汗)
そんな方達を見るたびに私たち音楽家は脅威にさらされていると共に、「自分も頑張らなければ!」と鞭を入れるわけです(笑)
現代にも素晴らしいピアニストが多くいますが、今回のブログは今一度昔からの大巨匠(おそらくみなさん一度は名前を聞いたことがあるでしょうか?)、「ウラディミール・ホロヴィッツ(1903~1989)」について少し書かせていただこうと思います。
それでは、いってみましょう!
〜ピアニスト紹介! 〜ホロヴィッツ〜〜
ウラディミール・ホロヴィッツ(1903~1989)
ホロヴィッツはウクライナ出身のピアニストで、晩年には日本に来日しリサイタルをしたこともあります。(日本でリサイタルをした際にはすぐにチケットが完売したそうで、チケットを入手するために長蛇の列ができたと言う話も)
是非その演奏を生で聴いてみたかったですし、もし生で聴いた方がいらっしゃったら感想を是非聞かせてください!(^^)
また、彼の演奏や動画が、晩年のものではありますがYouTubeにて無料で見れますし、彼を特集したDVDも発売されていますので、ホロヴィッツを知らなかったという方は特に是非聴いていただきたいです!
私が小学生の頃、ホロヴィッツのショパンを聴いてとても感動したのを今でも覚えています。
特に印象的なのは彼の音量で、ピアニッシモの弱くも透き通る 鮮明な音は天下一品だと思っています。単純に強い音は誰でも出せますが、弱い音を素晴らしい音で弾くことは相当難しいことです。
彼はベートーヴェンなど古典ものからスクリャービンといった現代のものまで、本当に素晴らしい名演を数多く残しています。
特に個人的に好きなのはショパンで、ワルツやマズルカ、ポロネーズといった作品を音だけでまるで自分の前で誰かが踊っているのを見ているかのような気分にさせられます。
拍の取り方というか表現というか、とても真似できないような彼独自の世界が素晴らしいのです。
そして何より視覚的なことで言うと、弾き方にとても特徴があります。
鍵盤を弾く時、とにかく指先をピンと一直線に伸ばして手首を低く保ちます。この弾き方は指全体をまるでバネのように使うことで力がストレートに鍵盤に伝わるため、とても理にかなっていると言えますが、この弾き方の難しいことと言ったらこの上ありません(汗)(少なくとも私には不可能です(^^;;))
しかしながらこの弾き方に憧れている私は他の人よりも手首の位置が低い奏法で弾いています。手首を低くすることのメリットは音がクリアになる上、柔らかく深い音が出せることです。デメリットとしては軽く指さばきの良い曲を弾く時にはこの奏法が使えないことでしょうか。
しかし様々な奏法を知って使い分けられると「音色」の引き出しが増え、音楽の深みがグッと増します。是非みなさんも自分の奏法にアレンジを加え、より自分にあった奏法を見つけていただきたいです(^^)
ちなみに先ほどの手首の低い奏法は軽く指さばきの良い曲を弾く時には不向きという話をしましたが、ホロヴィッツは全くもってそんなことはありません。よくこの奏法であれだけの速いパッセージが確実に弾けるなと驚きしかありません。
バネのある音、柔らかい音、大胆すぎる表現など彼の演奏には常に意外性がありとても面白いです。
それでは彼の晩年の演奏、「英雄ポロネーズ」をご紹介させていただきたいと思います!
いかがでしたでしょうか?
キレのある音と深みのある音、独特の表現、他のピアニストではなかなか出せない天才っぷりがたっぷりの、英雄ポロネーズだったと思います。
もちろん彼はどの作品も素晴らしく見事に弾きます。
以前の記事でも彼が弾いているクレメンティのソナタの音源をご紹介しましたが、王道からマニアックなところまで隅々まで彼の素晴らしさを感じることができます。
もし興味が湧いた方は、他にも色々と聴いていただけると面白いと思いますよ!
それでは、本日もお読みいただきありがとうございました!