こんにちは!
東京都内を中心に、関東近郊に20か所ほどある完全個人レッスンのピアノ教室、エルピアノスクールのブログです。
本日は「ピアノ名曲紹介!」ということで、是非ご紹介させていただきたい名曲について書かせていただきたいと思います。
今回ご紹介させていただくのは、ショパン「ノクターン第20番 嬰ハ短調(遺作)」です!
それでは今回も早速、曲に入っていきましょう!
〜【ピアノ教室】名曲紹介! 〜ショパン「ノクターン第20番 嬰ハ短調(遺作)」〜〜
まずは一度曲を聴いてみましょう!
「ウラディーミル・アシュケナージ」の演奏です。
まず作曲家についてですが、もう説明不要になってきた気もしますが、ポーランド出身のピアニスト・作曲家である「ショパン」は数えきれない名曲を残し、素晴らしい時間を過ごさせてくれる名音楽家です。
演奏会等ではショパンの曲は認知度の高い作品が多いので、多くのピアニストにより演奏されます。
また、私自身もよく取り上げて演奏しますが、ふとこの間もしショパンという作曲家がいなかったら、もしショパンの曲が世の中になかったとしたらどんな音楽の世界になっていたのだろうと考えました。
少々大袈裟かもしれませんが、それほどクラシック音楽界においてショパンの存在というものは大きいと感じます。
例えば彼の有名な作品というと、メジャーなところで言えば「幻想即興曲」「英雄ポロネーズ」「ノクターン作品9-2」「子犬のワルツ」、もう少し幅を広げると「舟歌」「幻想ポロネーズ」「ピアノ協奏曲第一番」などがあります。
ジャンルで言えば彼のポロネーズやマズルカ(ポロネーズはフランス語で「ポーランド風」の意であり、マズルカと並んでポーランド起源のダンスまたはそのための曲の形式(舞曲)のこと)、ワルツやノクターンといったものがあります。
これらが無いとなると、かなりクラシック音楽の色が変わってくる様にも思います。
少し話は逸れてしまいましたが、話を戻すと、是非みなさんにはもう一歩踏み込んでショパンの作品に触れていただきたい!そう思うわけです。
そこで取り上げるのが今回の 「ノクターン第20番 嬰ハ短調(遺作)」です。(もしかすると「ノクターン遺作」という方がメジャーかもしれません)
この遺作のノクターンは個人的な印象としては、恐らくノクターンで1番有名な作品9-2に次いで人気も認知度も高いのではないでしょうか?
「遺作」というのが死後に見つかった、もしくは出版されたという意味になるのですが、この曲の場合は後者の死後に出版されたもので、 出版されたのは1875年で没後25年。
作曲されたのは1830年でショパンが20歳の時という作品です。(この作品を20歳で!やはり凄いですね)
ショパンの死後、姉のルドヴィカがショパンの未出版の作品カタログを作った際にこの曲を「夜想曲(ノクターン)風のレント」と題して出版したため、現在ではノクターンとして知られていますが、ショパン自身はこの曲をノクターンと命名しなかったと推測されているようです。
この曲の楽譜が出版された際には「アダージョ」という標題で、「レント・コン・グラン・エスプレッシオーネ」という速度表示がついていましたが、ブラームスがこの曲を写譜した際にアダージョの部分を消してしまい、残った「レント・コン・グラン・エスプレッシオーネ」が表題として知られるようになったそうです。
正式な記述はないそうですが、この曲は姉のルドヴィカがショパンの「ピアノ協奏曲第2番」を練習する時のための曲として、姉のためにショパンが書いたそうで、 曲の随所にその要素が出てきます。
※ピアノ協奏曲第2番(↓)
話は戻りますが、例えばこの2つの旋律に注目してみましょう。
この2つはピアノ協奏曲のものになりますが、このノクターン遺作では調と若干リズムが変化して出てきます。
出てくるのは曲の中間部で曲調がガラリと変わるところで使われるわけですが、ノクターン遺作は嬰ハ短調ですので非常に悲劇的で悲しいメロディが特徴ですが、 上記の旋律が出てくるところだけ一瞬明るい長調、イ長調で出てきます。
いわゆるこの作品の中で1番明るく光が当たるところ、そこにピアノ協奏曲の断片を織り込んだわけです。
この2つの曲を見事にフューチャリングする技術が天才的だと感じます。
是非、この2つの部分をもう一度曲を聴いて見つけてみてください!(どうでしょう、見つけられましたでしょうか?)
この部分を知るだけでもノクターンの中にしれっとピアノ協奏曲が入っているという、この曲の魅力の一つに気づくかと思います。
そして順番は前後しますが、これがこの曲の冒頭部分で、1段目が言わば前奏的な部分となっています。
2段目からが本題で、2分音符で歌われる美しいメロディと8分音符による伴奏にハッキリと分かれています。
面白いのは1段目と2段目の声部の数の違いです。
1段目は4声パートに対して2段目からは2声パートになっています。この違いは一体なんなのでしょうか?
これは個人的な推測に過ぎませんが、 最初の一段は室内楽的な部分、つまり協奏曲などをイメージしたのではないかと考えています。
そして2段目からは従来のノクターンの形式を使用し、中間部の良いところで再び室内楽、協奏的な部分を出してくるわけです。
私もこの曲を弾き始めた当初は1段目の扱いに苦労しました(汗)
この部分は一体なんなのか?
生徒さんのレッスンでもよくご質問をいただくことがあり、その度に「確かにこの部分はどういったものなのか、、、」と考えさせられました。
そして辿り着いたのが、協奏曲とノクターンの要素が詰まっているということで、「なるほど、おそらく単純に両方をいいとこ取りしたのか。」、そんなふうに勝手に自己解決したわけです(笑)
もし、「いやこれはそうではないんじゃないか」、「こうなんじゃないか?」というご意見があれば、是非レッスンなどで教えてください!
はい、ということでいかがでしたでしょうか?
今回はショパン「ノクターン第20番 嬰ハ短調(遺作)」をご紹介させていただきました!
比較的弾きやすい曲でもありますので、この曲にご賞味がある方は是非チャレンジしてみていただければと思います!
レッスンでもお気軽にご相談くださいね(^^)
それではまた次回の記事でお会いしましょう!
本日もありがとうございました!