こんにちは!
東京都内を中心に、関東近郊に20か所ほどある完全個人レッスンのピアノ教室、エルピアノスクールのブログです。
本日も「ピアノ名曲探索! 〜名曲を知る〜名曲を聴く〜」ということで、是非ご紹介させていただきたい名曲について書かせていただきたいと思います。
早速ですが、今回ご紹介する名曲は「展覧会の絵」です。
この曲はロシアの「ムソルグスキー」がピアノのために作曲しました。
しかしそのピアノ曲をフランスの作曲家「ラヴェル」が管弦楽のために編曲し大ブレイクしたため、日頃皆さんが耳にする「展覧会の絵(オーケストラやCM)」はラヴェルの編曲版であることがとても多いです。
ということで、今回は展覧会の絵「ラヴェル編曲版」に絞ってみていきたいと思います!
それでは、いってみましょう!
〜ムソルグスキー「展覧会の絵」〜
まずはラヴェルについてお話ししていきましょう。
モーリス・ラヴェル(1875〜1937)
フランス生まれの作曲家・ピアニストで数々の名曲を残した音楽家です。
私たちが良く知っている「ボレロ」やバレエ音楽「ダフニスとクロエ」、今回取り上げるムソルグスキーの原曲「展覧会の絵」のオーケストラへの編曲、ピアノの名曲と知られる「亡き王女のためのパヴァーヌ」、「水の戯れ」など素晴らしい音楽を残しました。
原曲の展覧会の絵を作曲したムソルグスキーについても少し触れましょう。
モデスト・ムソルグスキー(1839〜1881)
ロシアの作曲家で、ロシア5人組(バラキレフ、キュイ、ムソルグスキー、ボロディン、リムスキーコルサコフ)の一人。主な作品は今回取り上げるピアノ組曲「展覧会の絵」や管弦楽曲「禿山の一夜」などがあります。
原曲を作ったムソルグスキーより編曲したラヴェルのオーケストラ版の方が有名になってしまうとは、少々ムソルグスキーが気の毒になってしまうかもしれません(汗)
また、展覧会の絵の作曲者がムソルグスキーであるということをご存知の方がどのくらいいらっしゃるでしょうか?
はたまたそれ以前に、この曲をテレビなどで聴いたことはあるけど曲名は知らない、、、そんな方も多いようです。
(しかしながら、それは逆にこの曲が有名であるということでもあると思います)
それというのも、あの有名なテレビ番組「ナニコレ珍百景」の珍百景を映し出す直前に流れる音楽、それがまさにこの展覧会の絵なのです!
「ああ!この曲か!!」と思われたでしょうか?(笑)
それでは曲の中身を見ていきましょう。
「展覧会の絵」というわかりやすい名前がついていますが、どのようにして作曲されたのでしょうか?
ムソルグスキーがロシアの画家「ヴィクトル・ハルトマン」の死を悲しみ、絵の展覧会を訪れた際の様子を曲にしているとのことで、曲ごとに拍子が違うのは歩きながら絵を見ているという、歩調を表しているとも言われているそうです。
そのためこの曲は「組曲」として、たくさんの絵に基づいた曲が組み込まれています。
それではその基になった絵の名前、及び組曲の中身を見てみましょう。
曲の構成はこのようになっています。
組曲「展覧会の絵」
1、第一プロムナード、小人
2、第二プロムナード、古城
3、第三プロムナード、テュイルリーの庭(遊びの後の子供達の口喧嘩)
4、ビドロ(牛車)
5、第四プロムナード、卵の殻を付けた雛の踊り
6、サムエル・ゴールデンベルクとシュムイレ
7、第五プロムナード、リモージュの市場、カタコンベ(ローマ時代の墓)、死せる言葉による死者への呼びかけ
8、鶏の足の上に建つ小屋(バーバー・ヤーガ)、キエフの大門
一番最初に出てくる「プロムナード」というのは、日本語で「遊歩道」や「散歩道」という意味合いになります。
恐らく皆さんが一度は聴いたことのあるメロディーが調や形を変えながら、小人や古城といった絵の音楽に挟まれて何度も出てきます。
プロムナードは、曲や物語の開幕に相応しい誇り高い幕開けを想起させます。
この曲ではまさに、
「レディース・アンド・ジェントルマン、我が大展覧会にようこそお越しくださいました!今回皆さんは素晴らしい作品に出会い、感動し、大満足間違いありません!
それでは早速、大展覧会へと誘いましょう!」
と言っているかのようです。
ラヴェルの編曲ではこの開幕のファンファーレ、プロムナードの主題メロディーがトランペットで堂々とふかれます。
このプロムナードは曲中何回も出てくるのですが、毎回雰囲気が異なり、ますます展覧会の奥底へと導かれていきます。
それではその基となったと思われる絵も見ていきましょう。
・グノム
・古城
・テュイルリーの庭
・ビドロ
・卵の殻をつけた雛の踊り
・サミュエル・ゴールデンベルクとシュムイレ
・リモージュの市場
・カタコンベ
・鶏の足の上に建つ小屋 バーバヤーガ
・キエフの大門
各絵ごとにムソルグスキーは良く印象を捉え作曲しています。
例えば「古城」では左手のバスがG#を鳴らし続けることにより、古い歴史を感じさせるかのような情景を作り出しており、ビドロ(牛車)では牛車がゆったりと重い荷物を運んでいるかのように、ゆったりとしたテンポで和音をたくさん鳴らし、曲が進行します。
最後のキエフの大門ではプロムナードの主題がより壮大な響きで鳴らされ、まさに展覧会の終幕に相応しく堂々としたスケールの大きい曲となっています。
音楽と絵は共通する点が多いですが、このように絵を基に作曲された曲は意外と少ないです。
絵を見て音楽を想像する、音楽を聴いて絵や情景を想像するといったことは、是非多くの方に行って欲しいことでもあります。
絵もそうですが、様々な景色や芸術に触れると音楽がもっと豊かになりますよ!
是非、様々な角度から曲を楽しんでみてください(^^)
はい、ということでいかがでしたでしょうか?
今回のピアノ名曲探索のコーナーは、ムソルグスキー「展覧会の絵」をご紹介させていただきました。
皆さんもご興味がある曲や弾きたい曲などは、是非お気軽にレッスンでリクエストしてくださいね!
それではまた、次回もご期待ください!
本日もお読みいただき、ありがとうございました!
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