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【ピアノ教室】名曲紹介! 〜モーリス・ラヴェル「ピアノ協奏曲ト長調」〜

こんにちは!
東京都内を中心に、関東近郊に20か所ほどある完全個人レッスンのピアノ教室、エルピアノスクールのブログです。

本日は「ピアノ名曲紹介!」ということで、是非ご紹介させていただきたい名曲について書かせていただきたいと思います。

このブログも少しずつピアノや音楽に関する記事が増えてきまして、楽しくご覧になっていただけているでしょうか?

「ピアノや音楽をよく知らない方でも分かりやすく楽しく読めて、そして少し知識も深められる」というコンセプトのもとに更新しております!

もし何かリクエストなどがあれば、レッスンの際などにお気軽に言ってくださいね(^^)


それでは、本日もいってみましょう!



〜モーリス・ラヴェル「ピアノ協奏曲ト長調」〜



フランス近代音楽の代表と言える作曲家の一人「モーリス・ラヴェル」が最晩年に作曲した2曲あるピアノ協奏曲のうちの一つで、ポピュラーなト長調のピアノ協奏曲です。(ト長調はポピュラーミュージックでいうところの「Gメジャーキー」


「モーリス・ラヴェル(1875〜1937)」


ラヴェルは1875年3月にフランス南西部、スペインにほど近いバスク地方のシブールという街で生まれました。

彼の作品には郷愁が色濃く表現されていて、この曲にもそれが伺われます。

ラヴェルが1928年に行ったアメリカの演奏旅行で自分自身の作品を指揮して大絶賛を浴びたことをきっかけに、その後ワールドツアーを計画し、ラヴェル自身がピアノを弾きながら指揮をすることを想定して書いていたものがこの曲「ピアノ協奏曲ト長調」です。

しかし著しい体調不良のためワールドツアーは縮小、曲の完成当初はラヴェルは自身のピアノ兼指揮で初演することを望んでいたそうですが体調を鑑み、ピアノはラヴェルが信頼するピアニストである「マルグリット・ロン」に任せることとなりました。(指揮はラヴェル自身が行ったという説や、別の指揮者が勤めたという説もあります)

しかしながらどの国でもこの曲は大絶賛され、アンコールに終楽章をもう一度演奏するという異例のステージになったそうです。


形式は急→緩→急の古典的な3楽章で構成されていますが、曲の内容は非常に斬新です。

アメリカで見聞したジャズのテイストがあちこちにちらばめられていて、気持ち良いサウンドが聴衆の心をわしづかみにしてしまいます。

それでは、曲を聴いてみましょう!
エルピアノスクール「東大宮教室の田中克己」先生による演奏です!



第1楽章 Allegramente(アレグラメンテ、「明るく、楽しげに」の意), 2/2拍子, ト長調。


冒頭の、パチン!というムチの音、グリッサンド(ピアノの鍵盤を滑るような奏法)と、最初から聴衆の心をぐっと引き寄せます。

そのあとに続くメロディは、まさにバスク地方の民謡に出てくる雰囲気そのもの。スペイン風な和声的短音階に、ジャズテイストなハーモニーやリズムが絡んでくることなども、この曲の大きな魅力のひとつと言えるでしょう。

後半に来るピアノのソロ(カデンツと言います)は切なさあふれる節で、弾いていてもグッと込み上げるものがあり、思わず涙が出てきてしまいます。

余談ですが、グリッサンドは掌を裏返し爪の元の部分で鍵盤を素早く滑らせる奏法で、同じくフランスの作曲家「ドビュッシー」の作品にもこのグリッサンド奏法が出てきますが、ラヴェルもグリッサンドが大好きで多くのピアノ作品に使われています。

ピアノの状態によって、軽くレスポンスの素早い鍵盤の楽器でしたらピアニストもとても清々しい気持ちで心地よく手を滑らせられるのですが、重たくレスポンスの遅い楽器ですと拷問に近いものがあり、爪が割れたり出血したりして大変なことになる場合も出てきます(汗)。

う〜む、楽器の状態は大事ですね(^^;;



第2楽章 Adagio assai,(非常に緩やかにの意味) 3/4拍子, ホ長調。


叙情的なサラバンド風の楽章。

サラバンドというのは、バッハなどの活躍していたバロック時代の舞曲の一種で、とてもゆったりとした流れの中で気品に満ちた舞踏を繰り広げていく音楽です。



同じくラヴェルの『亡き王女のためのパヴァーヌ』や、サティの『ジムノペディ』に通じる擬古的な美しさをたたえています。

冒頭のピアノ独奏は、全108小節の3分の1くらいにあたる33小節間、時間にして2分以上もあり、ピアノ協奏曲としては異例の長さとなっています。

何といってもこのピアノソロの部分はピアニストに「この曲を弾きたい!」と思わせる一番魅力的な部分で、とてつもない美しさの裏側にある悲しみや切なさ、やるせなさがピアニストにとっても聴き手にとっても心震わさずにはいられない魅力があります。

「いつもここで涙があふれてしまい視界がぼやけてしまう」ことさえも、ピアニストにとって至福の歓び、醍醐味でもあります。



第3楽章 Presto, (急速に、しかし慌てずにの意味)2/2拍子, ト長調。


ドラムロールに乗って、トランペットを中心とする金管楽器が特徴的なリズムを刻んでいきます。

ストラヴィンスキーの『ペトルーシュカ』や、サティの『パラード』に通じるサーカスやパレードのような雰囲気で開始されます。

ちなみに途中に出てくる、ピアノのテーマ、ド、シ、ラ~ ド、シ、ラ~という部分は、あの有名な映画「ゴジラ」のテーマとそっくりです。

これは、ゴジラの音楽を作曲された伊福部昭さんが当時ラヴェルの音楽に出会い衝撃を受け、インスピレーションを受けたとても明確な部分だということです。

まさにそのまま、ド、シ、ラ~ ド、シ、ラ~ (ゴジラ~ ゴジラ~)となっていますね。


はい、ということでいかがでしたでしょうか?

このように、様々な構想に満ち溢れているこのピアノ協奏曲は、ピアニストにとって、そしてオーケストラにとっても、難曲の1つになっています。

単純に技術的に大変なだけでなく、ジャズのテイスト、ハーモニーを十分に理解し、しかし決して即興的な表現にならず、あくまでもクラシック音楽の範疇で表現しなければならないこと。そして何より「モーリス・ラヴェル」の最晩年に書かれた作品に通じるものがありますが、精神を病み、世界情勢も非常に不安定な中、彼がなにを伝えたかったのかを、十分理解し、咀嚼し、俯瞰で表現する必要があるからです。


オーケストラとのオリジナルは、個人的にこの演奏がオススメです。

まさにフランス人の弾くラヴェルという感じで、クールで決して感情過多になりすぎず、それでいて内面的な部分は深く考察され表現されている素晴らしい演奏だと思います。

もしよろしければ、是非聴いてみてください!

ピアノ演奏に関しても、レッスンの際などに何でもご質問下さいね!


それでは本日もありがとうございました!



〜無料体験レッスンにも是非お気軽にお越しくださいね♪〜




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