こんにちは!
東京都内を中心に、関東近郊に20か所ほどある完全個人レッスンのピアノ教室、エルピアノスクールのブログです。
本日は「ピアノの歴史 〜現代のピアノに至るまで〜」ということで、ピアノの歴史について書かせていただきたいと思います。
それでは、いってみましょう!
ピアノの歴史 〜現代のピアノに至るまで〜
現代のグランドピアノは鍵盤が沢山あり形もサイズも大きくかっこいいですよね!
しかし現代のピアノは年月や技術とともに進化したまさにようやく辿り着いた完成形なんです。
1800年頃から徐々に形や性能が進化していき日本のヤマハが最初にピアノを作ったのが1900年(明治33年)ということですから、現代のピアノが完成してからまだ120年位しか経っていないんですね!!
割と最近で驚きです(°_°)
ではそもそもピアノという楽器はいつから存在していたのか?その起源を辿ると結構奥が深いんです。
ピアノができるまでその前身となる楽器が多くありました。その楽器を遡るとなんと13世紀までタイムスリップしなければなりません!13世紀ていったい何年なの??
A.~1201年から1300年までの100年間~
何と7、8百年前なんですね!!歴史を感じます!!
まず最初にクラヴィコードという楽器がありました。
長方形の形でパッと見木の箱の中に見えますね。その中に鍵盤が可愛らしく収まっています。
現代のグランドピアノは鍵盤が沢山あり形もサイズも大きくかっこいいですよね。
クラヴィコードは箱に4本脚が付いたものと付いてないものの2つ種類があり脚がないものに関してはどこかテーブルなどに置いて演奏していたみたいです。いわゆる現代で言う電子キーボードみたいなイメージです。
鍵盤の音域も非常に狭く3~4オクターブしかありませんでした。
(ちなみにこの時代はピアノなどの器楽音楽より歌が主流でしたのでこれくらい音域があれば十分だったのでしょう)
現代のピアノが7オクターブですからいかに音域が狭かったか分かりますね。
このクラヴィコードの特徴としては現代のピアノと似ている部分が多く、キーを押すと鍵盤奥にあるタンジェントと呼ばれる物が弦を叩いて音が出る仕組みとなっています。
そのほかにもキーの押し方によって例えば弱く押せば弱い音が出るというように、音の強弱を自分でコントロールできるという魅力がありました。
しかしながら元々楽器の出る音量が小さすぎて、近くにいかないと聞こえないという控えめな性格だったみたいです(^◇^;)
~~~~~~~ その後14世紀頃にハープシコード(別名チェンバロ、クラブサン)と言う楽器が登場します。
チェンバロと呼んだ方が親しみがある気がしますが一度はどこかで音色を聞いたことがあるのではないでしょうか?
昔のゲーム音楽の音色的な懐かしさもある楽器です。
チェンバロの特徴としてはギターやハープなどといった弦楽器と似ている部分があります。つまりキーを押すと鍵盤奥のプレクトラムいうものが弦をはじいて音が出る仕組みになっています。
クラヴィコードは弦を叩いて音を出すある意味打楽器的な音の出し方でしたが、チェンバロは鍵盤楽器でありながら弦をはじいて音を出す弦楽器のような楽器なんです。
プレクトラムは一定の強さで弦をはじくため奏者によって音の強弱を変えることはできません。
そのため速度を変えたり音数を増やしたり減らしたりして聞こえ方による効果を工夫して演奏します。音色の表情も変えることはでき、例えば悲しい表現(泣)をしたいときはゆっくり弾いたりして、一方元気(^o^)だったり、怒ったような表現をしたい時はテンポを速くしたり音数を増やしたりして表現が可能です。
音域は4~5オクターブのものが一般的で音量も華やかで力強いため表現の幅も大きく広がりました。
チェンバロはあの有名な「J.S Bach」!も好んで使用しチェンバロのための曲を多く作曲しています。
バッハの曲はピアノで弾かれることが多いですが、実はバッハの原点はチェンバロやオルガンといった楽器なんです。
バッハの曲をピアノで弾く前にYouTube等でチェンバロの音源を聴くこともオススメです!(例えばこういうものなど)
チェンバロは強弱の変化が乏しいということでより柔軟に表現ができる楽器が求められました。
そこで発明されたのが、、、フォルテピアノです!!
ようやくピアノという言葉が出てきました!
フォルテピアノ(正式名称はクラヴィチェンバロ・コル・ピアノ・エ・フォルテ)は、1700年ごろイタリアのクリストフォリによってが発明されました↓↓↓
チェンバロが弦をはじいて音を出していたのに対して、フォルテピアノはハンマーによって弦を打って音を鳴らすメカニズムを用い、この発明が現在のピアノになるのに大きな影響を与えました。(クリストフォリさんありがとうございますm(_ _)m)
このメカニズムによって強弱などが表現できるようになり、タッチによる音色のコントロールが可能になってきました。
このフォルテピアノの発明がモーツァルト、ベートーヴェンといった作曲家に多大な影響を与え多くの名曲を作曲したわけです。
そしてフォルテピアノは更なる改良を目指し進化していきます。
ピアノがますます進化していくきっかけとなった出来事がありました。
それは、、、フランス革命です!
それまでの音楽、例えばバッハやモーツァルトの時代というのは、宮廷や貴族社会において重要な役割を果たしていました。(なるほど宮廷音楽て言葉聞いたことありますね)
しかし革命によって音楽やピアノが一般の人に普及していったことによりピアノの進化に大きな影響を及ぼしました。
これまでは貴族向けに宮廷、ちょっとした広間等でピアノは演奏されていましたが、大衆化したことにより広い場所で多くの聴衆に音を届ける必要が出てきました。(コンサート
ホールなどに発展)
そのためピアノの大きさや張っている弦の強度、より繊細な表現のできるアクション等の改良がされていき、そして19世紀半ば、ショパンやリストといった作曲家の時代にはほぼ現代のピアノに近いものになり、音域も82鍵まで広がりました。(現代のピアノは88鍵)
そしてピアノ産業が発展していき、様々なメーカーから多様な種類のピアノが作られていったという形です。
1900年日本でもようやく国産第一号となるピアノが作られました。(ふ~長い道のり汗)
今では世界に多くのピアノメーカーが誕生し、今日日本でよく知られているピアノメーカーはヤマハ、カワイ、スタンウェイ、ベーゼンドルファー、ベヒシュタイン、ファツィオリといったところでしょうか。
※1900年頃の日本のアップライトピアノ(画像:ヤマハピアノのあゆみより参照)
このようにして時代背景や歴代の技術者作曲家によって長い年月をかけてきた賜物が現代私たちが弾いているピアノなのです。
歴史の重みを感じますよね〜。
普段から弾いたり聞いたりするピアノにこんな奥深い歴史があったなんて驚きです(^_^;)!
是非、色々なピアノを弾いてみてくださいね、新たな発見があるかもしれませんよ!
それではみなさんこれからも音楽をそしてピアノを愛して楽しんでいきましょう!!
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