こんにちは!
東京都内を中心に、関東近郊に20か所ほどある完全個人レッスンのピアノ教室、エルピアノスクールのブログです。
今回は「ピアノ上達のポイント! 〜多くの方が陥ってしまいやすいこととは?〜」ということで、実際に生徒さんのレッスンをしていて感じることや思うこと、また、多くの方が知らずとやってしまいがちな傾向などをお話しさせていただきたいと思います!
恐らく生徒さんの多くが無意識で行っているであろう行動や取り組みについて、僭越ながら講師目線で書かせていただければという回です。
この内容はきっと皆さんの音楽力向上に役に立つと思います!
今回もテーマがテーマなので、つらつらとした文章が多めになってしまいますが、是非お読みいただけたら嬉しいです(^^)
それでは、いってみましょう!
ピアノ上達のポイント! 〜多くの方が陥ってしまいやすいこととは?〜
今回は主に次のテーマについてお話させていただきたいと思いますが、皆さんはこちらの2つテーマの違いはお分かりになりますでしょうか?
・楽譜を見ながら鍵盤を弾くこと
・鍵盤を見ながら楽譜を読んで弾くこと
文字にするとどちらも似ているように思いますが、実はこの2つは意味合いが全く違ってきてしまいます。
どちらも正解不正解はないのですが、練習やレッスンの時、この2つを意識して頂くことでより効率良く上達していただくことができるかと思います。
それではこの二つを解説していきましょう。
まず、「楽譜を見ながら鍵盤を弾くこと」。
意味的にはそのまま楽譜を見ながら鍵盤を弾くことなのですが、実はこのことがとても重要で、たくさんのメリットがあります。
具体的には、
・楽譜を読む力が身につく
・楽譜を読むのが速くなる
・譜読みが速くなる
・楽譜を理解して演奏することができる
・鍵盤を見なくても大体の位置が分かるようになる
などなどです。
この「楽譜を読む」ということには、これほどのスキルアップに繋がる素晴らしいポイントがあります。
「楽譜を読む」という訓練を積むことにより、まず、間違いなく音符を読むスピードが上がります。さらに楽譜という情報を瞬時に理解しようとすることで強弱記号やフレーズなど、構造的な発見をすることもできます。
よく、「音符を読むのが苦手」、「楽譜を読むのがとても遅いので、、、」というようなことをおっしゃる生徒さんは多いのですが、安心してください!
これは才能やセンスなどではなく単純に、「楽譜を意識して読む回数や訓練がまだ少ないだけ」なので、慣れてくれば問題ありません。
例えば、英語に例えてみましょう。中学英語レベルの単語や文法を知っていても、簡単な本や受験英語レベルの文章は読めたとしても、例えばハリーポッターなどの英語で書かれた洋書を自分の知識だけで読むことができるでしょうか?(僕は無理です(笑))
単語や文法、発音を勉強して知識を増やし、訓練を重ねることで徐々に理解できる範囲が増えていくのではないかと思います。これは「楽譜を読む」ということも、全く同じであると思います。
具体的な目安の期間で言いますと、楽譜をある程度読めるようになるには早い人で1年、通常でも2〜3年ほどはかかります(もちろん練習時間などによります)。さらにそこから、楽譜を何の苦労もなく自由に読めるようになるには3年〜5年くらいはかかるかと思います。
楽譜は最初はただの暗号にしか見えないと思いますが(汗)、あまり敬遠せずに取り組んでいれば、必ず少しづつ読めるようになってきますのでご安心ください!
そして楽譜をよく見ながら弾くということは、ピアノを弾くときに「ある程度鍵盤は見ないで演奏する」ことにもつながってきます。
これが実は一番重要なことで、鍵盤を見る時間を減らしていくと感覚的に鍵盤の位置がわかるようになっていくとともに、音を目ではなく耳で判断することにより、音感や音楽耳を作ることができます。
レッスン中などに多くの生徒さんで実際に見受けられるのは、「譜読みなどの段階で楽譜をあまり見ず、早く弾き始めることに気持ちがいってしまう」、「次に弾く音(動かす指)をしっかり把握できていない状態なのに、楽譜をしっかりと確認することをしない」、といったことが原因でどうして良いか分からなくなってしまい「あ〜難しい、全然弾けない!」という状況に陥ってしまっているというものです。
また、スケール(音階)など、おおよその音は分かるけど譜面上の運指を正しく理解できていないため、途中で「あれ??」となってしまうという方も多いです。
こういったことが起きる原因は、「演奏と同時に楽譜をみながら弾くことができないから」で、鍵盤の位置感覚がまだないため、鍵盤を見るという動作に必死になってしまい、楽譜を読むという動作に意識が至らないからであると思います。
そのため、
・1小節ごとに鍵盤を見て弾いて、止まってから次の小節の楽譜を読んで弾き始める。そうすることにより弾けなくはないが音楽的には毎回止まってしまい、なかなか上手になることができない、、、
・ある程度感覚的に音を覚えてしまい、楽譜を見なくても弾けるようになってしまう、、、
など、生徒さんによりますが、かなり多くこういった状況を目の当たりにしてきました。
ここで次は先程の後者の例である、「楽譜をある程度覚えてしまい、楽譜を見なくても弾けてしまう」というのがテーマになります。
「鍵盤を見ながら楽譜を読んで弾くこと」
これは先ほどまでは、まずは楽譜を見ることに重点を置いたのに対し、鍵盤を見てから楽譜を見るという逆の動作になります。
鍵盤を見て弾くということは、音(あるいは鍵盤の位置)を覚えて弾いてしまうということであり、覚えていないところで時々楽譜を見るという動作になります。
これは特にお子さんに起こりがちですが、記憶力が良いため、ある程度弾いたら曲を覚えてしまって楽譜を見なくても弾けてしまうということがあります。
もちろん記憶して弾くということは素晴らしいことですが、客観的に見るとそれは一時的な経験にしかならないため、楽譜を読むという一番大切な能力は鍛えることにはなりません。
特定の曲を急いで覚えたいなどの時は別な場合もありますが、「楽器の上達」という点を考えると、それを続けてしまうのは非常にもったいないことになってきてしまいます(^^;;
ですので、皆さんももし覚えて弾いているところがあれば、是非鍵盤ではなく積極的に楽譜を見ながら弾くようにしてみてください!
そうすることで「楽譜を読みながら弾くという非常に重要な能力を鍛えていく」ことができます。
中には、「楽譜を覚えたつもりが実はちゃんと覚えられておらず、覚えたつもりで鍵盤ばかりを見て練習してしまったため、練習すればするほど下手になっていく」という方もいらっしゃいます(汗)
これ、恐ろしいことに意外と珍しくないんですよね(^_^;)
もちろんレッスンのたびに修正させていただくのですが、「どうしても鍵盤ばかり見て弾いてしまう」というご本人の癖的なものが治っていかないとなかなか難しい点ではあります。
楽譜に対する苦手意識と、読めるようになるための訓練は最初は大変かと思いますが、地図も読めず方角も分からないまま険しい山に挑もうとし続けるようなものなので、是非とも克服していただきたいところです!
それが、楽器を演奏していて「本当に楽しい!!」という世界へ連れていってくれると思います!
はい、ということでいかがでしたでしょうか?
この「楽譜を読む」ということが、読譜力、鍵盤を見ないで弾けるようになる、演奏技術向上、音楽的な耳を育てるなど、数多くのことに繋がってきます。
今回書かせていただいたことを頭で理解することは問題ないかと思いますが、いざ実践しようとするとなかなか最初は思うようにできないかもしれません。
しかし!!この経験の積み重ねにより、確実に良い方向へと向かいますので、是非根気強く続けてみてください(^^)
それでは本日もお読みいただき、ありがとうございました!
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