こんにちは!
東京都内を中心に、関東近郊に20か所ほどある完全個人レッスンのピアノ教室、エルピアノスクールのブログです。
本日も「ピアノ名曲探索! 〜名曲を知る〜名曲を聴く〜」ということで、是非ご紹介させていただきたい名曲について書かせていただきたいと思います。
今回はプロの演奏家でも知らない人がいたり、レパートリーにしている人が少ないという、興味深い曲のご紹介です。
それでは、いってみましょう!
〜クレメンティ「ピアノソナタ作品33の3」〜
そんな興味深いこの曲の作曲者は「ムツィオ・クレメンティ」。
このブログ初登場です!
クレメンティといえば、ピアノをやっている方なら一度は聞いたことのある人が多いのではないでしょうか。
例えばこれ(↓)
クレメンティといえば「ソナチネ」の印象が強いですが、実は「ソナタ」も書いているのをご存知でしょうか?
しかもかなりの数のソナタを書いているんです。
なんと100曲も書いています!
実は私も前はこのことを知らなかったのですが(汗)、とあるコンクールでクレメンティのソナタを弾いている方がいて、「こんな曲があったんだ!」と衝撃を受けました。
それでは「クレメンティ」について、どんな人物なのか見ていきましょう。
ムツィオ・クレメンティ(1752〜1832)
イタリアの作曲家、ピアニスト、チェンバロ奏者で、楽譜の出版から楽器の製造まで幅広いジャンルで活躍した音楽家。
時代的にいうと、モーツァルトとほぼ同じ時代です。(モーツァルト(1756〜1791))
ただクレメンティの一つの大きな特徴として、当時としては珍しく長生きをしました。
なんと80歳まで生きたんですね!!
これは当時としては、ものすごく長生きです。
彼の有名なエピソードとしては、当時25歳のモーツァルトとピアノの競演をしたことがよく知られています。
モーツァルトと競うことができるだけのテクニックと音楽性があったということで、当時は相当話題になったことと思います。
クレメンティの音楽は明るくて比較的シンプルなものが多いのですが、起伏や変化も面白い作品が多く存在します。
それでは実際に曲を見ていきましょう。
今回ご紹介させていただく曲は彼が42歳の時に書いた「ピアノソナタ作品33の3」ですが、他のソナタとは異なり、「ピアノとオーケストラのためのグランドソナタ」という副題がついています。
どういうことかといいますと、このソナタ、実はピアノ協奏曲としての作品にもなっています。
しかもピアノ協奏曲のオーケストラパートを聴くと、ほとんどソナタと同じ音をなぞっているので、ソナタと言っても一人でピアノ協奏曲を弾いていることにもなります。
ややこしいですね(^^;;
非常にざっくりいうと、
・ピアノ協奏曲
ピアノを中心に、オーケストラがそのサポート(伴奏)をする
・ソナタ
もともと音楽用語で、曲の形式を表した言葉。大抵はソロ楽器をピアノが伴奏している
この作品は三楽章から成り立っていますが、第一楽章を聴くと、この作品が協奏曲になったのも納得できるかと思います。
この曲なんとあの巨匠ホロヴィッツの晩年のレパートリーになっていて音源を聴くことができますので、一度ホロヴィッツの演奏(第一楽章)を聴いてみましょう。
いかがでしょうか、冒頭の重音で上がっていく音形はまさにオーケストラのトゥッティ(全員で演奏すること)のように聴こえます。
続いての細かく速い音符は弦楽器で演奏されます。
このトゥッティと弦楽器の面白い掛け合いが冒頭からたくさん見受けられますね。
この一ページからだけでもとても明るい雰囲気が伝わってきますので、クレメンティはきっとすごくポジティブな性格だったのではないかと個人的に思っています(笑)
ここまでオーケストラやトゥッティだの弦楽器など色々言ったので、皆さんに聴いていただきたいところではありますが、残念ながらご紹介できるものがないのです(汗)
もし聴きたい方は、アマゾンミュージックなどで必死に探せば出てきますので聴いてみてください(^^;;
(私も見つけるまで大分時間がかかりました、、、。)
原語で調べて、C dur のソナタ(Cdurのソナタだけでもかなりの数あります)を片っ端から聴いていけばたどり着けます(汗)
(それだけ知る人ぞ知る曲だということがわかりますね(^^;;)
ただ、この曲はホロヴィッツのレパートリーですから!!(←ここ強調!)なぜこんなにも世に浸透していないのか不思議です。
曲の構造としては、非常にシンプルなソナタ形式でわかりやすいのですが、、、。
(とても明るい曲で素敵なんですが、楽観的な曲なので曲の深さがあるかと言われれば??という感じがしなくもありません、、、)
ただ、ハ長調ということもあり、コンサートの一曲目やちょっと人前で華やかな曲を弾きたい時はピッタリだと思います(^^)
今までとは違ったレパートリーを増やしたい、マイナーな曲を弾いてみたいという方は是非弾いてみてくださいね!
速いパッセージも多いですし、協奏曲でもあるので、弾くのはなかなか大変かもですが(汗)
はい、ということでいかがでしたでしょうか?
今回のピアノ名曲紹介のコーナーは、クレメンティ「ピアノソナタ作品33の3」をご紹介させていただきました。
楽譜もなかなか出版されていませんが、この曲は唯一、ペータース社が出版しているクレメンティ・ソナタ集に収められていますので、気になった方は是非入手して弾いてみてください!
楽譜のご相談なども、レッスンの際にお気軽にどうぞ!
それではまた、次回のブログもお付き合いいただけますと嬉しいです(^^)
本日もお読みいただき、ありがとうございました!
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