こんにちは!
東京都内を中心に、関東近郊に20か所ほどある完全個人レッスンのピアノ教室、エルピアノスクールのブログです。
本日も「ピアノ名曲探索! 〜名曲を知る〜名曲を聴く〜」ということで、是非ご紹介させていただきたい名曲について書かせていただきたいと思います。
今回も皆さまに素晴らしい名曲をご紹介いたします(^^)
今回は近代のフランス社交界を感じる、少し気取ったお洒落な曲を取り上げていきますので、是非最後まで楽しんで読んで頂けたら幸いです!
それでは、いってみましょう!
〜ガブリエル・フォーレ「ヴァルスカプリス第2番」〜
「ガブリエル・フォーレ」はこのブログ初登場ではありますが、実は私がとても大好きな作曲家です。
「ガブリエル・フォーレ(1845〜1924)」
フォーレはフランスに生まれ、ピアニスト、作曲家、教育者として活躍した音楽家で、ピアノと作曲をカミーユ・サンサーンスに師事しています。
フォーレは教育者としても非常に優秀で、1896年に「フランス国立音楽・演劇学校」の作曲科教授となり、優秀な生徒を輩出。弟子にはこのブログで以前にもご紹介させていただいた「モーリス・ラヴェル」や、「デュカス」がいます。
フォーレ作品の最大の特徴は独特の和声感で、その独特の響きを聴くとすぐにフォーレの曲だと分かります。
しかしながら、その和声は決して単純ではなく、むしろ理解することが非常に困難。これは彼の才能、そして個性であり、彼しか作り出すことのできない独特な世界観と言えるでしょう。
その独特な世界観は「深く」「神秘的」「煌びやかで」「響の楽園へと誘う」、そんな言葉が当てはまるように感じます。
それではまず一度「ヴァルス・カプリス第2番」を聴いてみましょう!
こちらは、エルピアノスクール東久留米教室の講師「竹田悠一郎」先生による演奏です!
いかがでしたでしょうか?
とても素敵な演奏ですね(^^)
先ほど書かせていただいた世界観が、少しでも伝わっておりましたら幸いです。
それでは曲の雰囲気を味わったところで、次は曲の中身に入っていきましょう!
「ヴァルス・カプリス」の「ヴァルス(ワルツ)」は三拍子の舞曲のことです。
有名な曲ではこのブログでも以前ご紹介させていただいた、「ショパンの子犬のワルツ」などがあります。
主にサロンや貴族の社交場において踊られていたワルツは、華やかながらもとても品の良い舞曲になっています。
ところで、フォーレとショパンには実はある共通点があるのですか、もしかしたら分かる方はいらっしゃいますでしょうか?
(ヒント:フォーレやショパンの曲の規模はどうでしょう?)
答えは、二人ともサロン向きの音楽家だったということです。
どういうことかというと、サロンというのは比較的小規模な、少ない人数の会場のことを言います。
(イメージとしては1,000人も入るような会場ではなく、30人から多くて100人くらいの会場を指すことが多い)
つまり少人数に向けてなので、曲調も比較的小規模、小編成になります。
リストのように大きな会場で大きな曲を披露する、みたいなこととは対照的ですね。
ショパンもワルツやノクターン、マズルカといった分数の短い小規模な曲が多いですし、フォーレもまるで小さな宝石のような素晴らしい曲をたくさん書いています。
特にフォーレは歌曲や管弦楽曲がとても素晴らしいので、興味のある方は是非聴いてみてください!
フォーレはヴァルスカプリスを4曲書いており、今回の曲は第2曲目に当たります。
演奏される頻度としては1番、2番という印象ですが、3、4番もとても良い曲です。その中でも2番は変ニ長調(レ♭)で書かれており、柔らかい響きが特徴的で、最もワルツらしいお洒落さを持っている曲です。
そしてワルツと言っても、ショパンのワルツとは雰囲気も全く違うことに気づかれたでしょうか。
メロディーとしてはとてもシンプルで、普通の人が伴奏をつけたらとてもつまらないメロディーになってしまいそうですが、さすがはフォーレです、、、。まるで魔法をかけたように美しい曲に仕立てています。
この魔法をかけたような神秘的な色合いがフォーレの最大の魅力であり、私が惹きつけられた要因でもあります。
この曲は冒頭は典型的なワルツのリズムや雰囲気ですが、曲が進むと右手が高音で急速で輝かしく、まるで水が流れるような情景が作り出されます。
その水の流れが最初は細いラインだったのが、曲が進むにつれて大きいラインへと変わっていきます。
同じメロディーが単音から重音、オクターヴへと発展し、左手のハーモニーもどんどん深く輝かしくなっていくわけです。
そして曲のクライマックスでは再び冒頭のワルツが急速になり、分散和音を用いて華やかに再帰。なんとも鮮やかに盛り上がり、舞曲が終了となります。
はい、ということでいかがでしたでしょうか?
今回のピアノ名曲紹介のコーナーは、ガブリエル・フォーレ「ヴァルスカプリス第2番」をご紹介させていただきました。
このようにフォーレの曲には短いながらにストーリーが散りばめられており、非常に耳も心もなんとも不思議な感覚にさせてくれる力があります。
これらの響きやストーリーに注目して再度聴いてみると、フォーレの良さがきっとわかると思います。
例えば今回の記事でフォーレが気になったという方は、是非フォーレのさらなる魅力を探してみてくださいね!
それではまた次回の記事でお会いしましょう!
ブログに限らず、知りたいことや疑問点などはレッスンの際にお気軽にご質問下さいね!
本日もありがとうございました!