こんにちは!
東京都内を中心に、関東近郊に20か所ほどある完全個人レッスンのピアノ教室、エルピアノスクールのブログです。
本日も「ピアノ名曲探索! 〜名曲を知る〜名曲を聴く〜」ということで、是非ご紹介させていただきたい名曲について書かせていただきたいと思います。
「ゴリーウォーグのケークウォーク」
皆さん、一度は名前を聞いたことがあるでしょうか??
なにやらカタカナが多くて、「???」のマークが浮かんでいる人も多いのではないでしょうか、、、。
何はともあれ、本日もいってみましょう!
〜ドビュッシー「ゴリーウォーグのケークウォーク」〜
作曲家はこのブログでも何度かご紹介させていただいている、「ドビュッシー」です。
「クロード・ドビュッシー(1862〜1918)」
まずは一度、
「ゴリーウォーグのケークウォーク」
聴いてみましょう!
いかがでしょうか?
何やら軽快なリズムでスキップしているかのように聞こえましたね!
それでは曲の雰囲気が分かったところで、曲の中身に入っていきましょう!
まずは名前の意味が気になりますよね。
先に「ケークウォーク」の解説をすると、簡単に言えば黒人の間で誕生した踊りのことです。
当時、黒人は白人から奴隷扱いされ差別を受けていました。(心苦しいお話で、申し訳ありません)
そのため当然黒人は白人のことを嫌っていたわけです。
そこで黒人の間で、何か楽しめることはないかということで音楽や踊りが誕生しました。
その音楽が結果的に今のブルース、ジャズ、ゴスペル、などといったものに発展していくわけですね。
音楽が生まれたため、踊りもより発展をしていきました。(人間の本能として音楽が流れるとそれに合わせてリズムを取ったり踊りたくなりますね)
そしてその踊りは、ただ楽しんで音楽に合わせて踊るのではなく、白人のことを非難するための踊りでもありました。(悪口を言い合い(踊り合い)ストレスを発散するのでしょう)
そんな白人を非難する踊りを隠れてやっていたわけですが、ある時それが白人に見つかってしまいます。
黒人としては大変な事になりました、、、。
もしかしたら殺されるかもしれませんし、何をされるかわかりません。きっと気が気でなかった事かと思います。
しかしこれが幸いにも、実に良い方向に向かいました。
白人は自分たちが非難されている踊りとはつゆ知らず、「なんと素晴らしい踊りなんだ!」と感動したそうです。(踊りなど言語のない芸術の素晴らしさというか、ここではそれが幸いになったようです)
そしてさらに、白人はある考えを思いつきました。
「こんな素晴らしい踊りをする黒人にダンスを競わせよう!」
しかもその対決に勝ったものはケーキが与えられるということで、黒人たちの闘志にも火がつきました、、、
こうしてその対決が、一説によるとコンテストとして様々なところで行われたため、その素晴らしい踊りも瞬く間に広まったといいます。
芸術は発展するしケーキは貰えるし人は喜ぶしで、良いことだらけですね!(英語に直すとCakeWalkですから、ケーキを貰うために歩んだ、踊ったととることができます)
「ケークウォーク」の少し説明が長くなってしまいましたが(汗)、次は「ゴリーウォーグ」についてです。
「ゴリーウォーグ」とは、イギリスの児童文学者フローレンス・ケイト・アプトンが1895年に書いた「2つのオランダ人形とゴリウォーグの冒険」という物語の中で発表された黒人のキャラクターのことで、この曲の作曲者「ドビュッシー」の当時3歳の娘がこのキャラクターをとても気に入っていたそう。
ドビュッシーは43歳で初めて誕生した娘を溺愛していたそうで、この曲はそんな娘さんのことを想って創られたんですね。(ドビュッシーが1908年に完成させたピアノのための組曲「子供の領分」は6つの小品からなる組曲で、この「ゴリーウォーグのケークウォーク」が最後の第6曲目)
父の愛を感じますね(泣)
それでは続いて、この曲の演奏について少しみていきましょう。
ケークウォークはある特徴的なリズムがあります。
右手にご注目ください。シンコペーション(拍節の強拍と弱拍のパターンを変えて独特の効果をもたらすこと)のリズムが繰り返されているのがお分かりでしょうか。
左の全く同じリズムは、ドラムや手拍子などを想起させますね。
右手のシンコペーションはそれに合わせて楽しく軽快に跳んだり跳ねたりして、まるで踊っているかのようです。
このシンコペーションのリズムが「ケークウォーク」のリズムです。
また、この曲では細かくアーティキュレーションの指示が書かれていますので、是非音符を追うだけではなく表現にも気を配って練習してみてください!
「アーティキュレーション」とは、Wikipediaによると、
音楽の演奏技法において、音の形を整え、音と音のつながりに様々な強弱や表情をつけることで旋律などを区分すること。
フレーズより短い単位で使われることが多い。強弱法、スラー、スタッカート、レガートなどの記号やそれによる表現のことを指すこともある。
アーティキュレーションの付けかたによって音のつながりに異なる意味を与え、異なる表現をすることができる。
ということです。
専門的ですかね?(汗)
あまり難しく考えていただかずに、ザックリいうと「表現力」のことです(笑)
色々な表現がありますね!
はい、ということでいかがでしたでしょうか?
今回のピアノ名曲紹介のコーナーは、ドビュッシー「ゴリーウォーグのケークウォーク」をご紹介させていただきました。
この曲を演奏する際に、今回お伝えしたエピソードを知っているだけでも雰囲気や表現に差が出てくると思いますので、是非覚えておいていただければと思います!
他の曲を弾いている時にシンコペーションと左手のスタッカートの8分音符があれば、「あれ、これってケークウォークのリズムかな??」なんて感じるかもしれませんね(^^)
それでは引き続き良い音楽ライフをお送りください!
弾きたい曲やご興味のある曲があれば、レッスンでお気軽にご質問下さいね(^^)
本日もありがとうございました!
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