こんにちは!
東京都内を中心に、関東近郊に20か所ほどある完全個人レッスンのピアノ教室、エルピアノスクールのブログです。
今回もピアノの名曲をご紹介していきたいと思います!
先に曲名を言ってしまいますが、本日ご紹介させていただくのは「トロイメライ」です!
〜トロイメライ〜
ピアノの小品の名曲として、コンサートなどのアンコールなどでも取り上げられることの多い曲で、心にしっとり浸透してくるような曲調が魅力的(^^)
ご存知ない方は、まずは一度曲を聴いてみてください。
こちらは巨匠ホロヴィッツによる素晴らしい名演です!
いや〜、良いですね!
それでは早速曲の中身を見ていきましょう!
作曲したのはドイツのロマン派の作曲家ロベルト・シューマンです。
クラシック通の方はご存知かもしれませんが、初めて聞いたという方も多いのではないでしょうか?
素晴らしい作品をたくさん残しているシューマンですが、一般的に知られている曲はもしかすると今回のトロイメライだけかもしれません。
彼はショパンと同じ1810年に生まれ、若い頃は実力派ピアニストとして活躍していましたが、ある時、実力向上のために開発した機械を使い手を壊してしまったことが原因で、ピアニスト人生が絶たれてしまいました。
手を壊した原因はいくつか説があり、「全ての指を均等に使えるようになるために無理をして腱を痛めてしまった」、「指を鍛えるために硬い無音の鍵盤で練習したため手を壊した」、などといったものがあります。
手の故障と同時期にシューマンは、麻痺や言語障害、視力減退など様々な病気も抱えていました。(その後、晩年には精神病になった末ライン川に身を投げ自殺を図るなど壮絶な人生だったようです)
そういったことも理由となり作曲家の道に本格的に入り、又、文学にも精通するなど、活躍していったそうです。
それでは曲の中身にうつりましょう。
「トロイメライ」とはドイツ語で『夢』という意味です。
曲名の通り、ゆったりとした夢見心地の雰囲気のある曲ですね。
演奏時間はたったの3分という小品ですが、夢の世界へと誘われ様々な感情を喚起させる名曲です。
この曲はシューマンが28歳の時に書いた、13曲からなるピアノ曲集「子供の情景」の中の第7曲目にあたり、恋人であり後の妻となるクララへの想いを曲に表したとされています。
子供の情景(↓)
それでは、そののちの妻クララとの話を少し書かせていただこうと思います。
クララ・シューマン(↓)
とても美人な方ですね。
因みにクララとはこの曲集を書いた2年後に結婚していますが、シューマンは作曲家の中で結婚が最も大変だった人かもしれません。
結婚に至るまでの、壮絶なエピソードがものすごく色々とあります(汗)
それはほとんどが、クララの父であるヴィークとのものでした。
クララの父であるヴィークはピアノ教師をしており、授業料は高く、その指導は厳格な上に過酷、残忍とまでの評判を取っていたそうですが、シューマンは母親に手紙を書いて許可をもらい、ヴィークにレッスンを申し込んで承諾されたとのこと。
1828年の夏ごろからヴィークにピアノを師事し、クララとも親しくなったシューマンですが、1830年10月からはヴィークの家に住み込みでレッスンを受けたそうです。
しかし、気難しく厳格なヴィークに対して次第に不満を募らせたシューマンは、翌1831年8月に当時名ピアニストとして名声を博していたフンメルに宛てて手紙を書いてヴィークへの不満を打ち明け、レッスンを受けたいと頼んだそうで、シューマンはこのことをヴィークにも話し、激しい叱責を受けたとのこと。
シューマンとクララの付き合いは長いものでしたが、その後の結婚の際、ヴィークが大反対しさまざまな妨害をしたそうで、最終的には裁判まで起こして結婚に至ったという(^^;;
このヴィークという教師は非常に厳格で過酷な性格だったそうなので、住み込みで教えていたこともある弟子と娘が惹かれあい結婚をしたいというのだから、それは一筋縄ではいきませんよね、、、(汗)
壮絶なやりとりや光景が目に浮かびます、、、
まさに映画や小説で出てきそうなシチュエーション。
こんな話をしていると長くなってしまいますので、再び曲に戻りましょう(笑)
もしご興味がある方は、Wikipediaなどを見てみてください!
〜「ロベルト・シューマン」Wikipedia〜
そんな彼の人生の苦悩が彼の音楽らしさ、素晴らしさになっているのかもしれません。
この曲の最大の特徴、それは跳躍を伴うゆったりとしたメロディーが何度もハーモニーを変えて出てくることにあります。
この「跳躍」、実はものすごく大事な役割があり、この曲では「4度」「6度」の跳躍が多く出てきます。
この「4度、6度」という跳躍はそれぞれある意味を持っていて、「4度」は「天、天使」を表し、「6度」は「憧れ」を表します。
恐らく4度の跳躍を用いて「夢」の感じを表し、6度の跳躍を用いてなかなか成就しないクララとの恋愛や結婚への憧れを表したかったのではないでしょうか?
この二つの跳躍がこの曲に限らず様々な曲で用いられています。
曲を演奏したり聴いたりした時に、この跳躍の意味を思い出していただくと、理解や感動がより深くなると思いますよ!
はい、ということでいかがでしたでしょうか?
非常に短い作品ですが、シューマンならではの音楽性や柔らかさなどが現れており、とても中身の濃い素晴らしい名曲です。
演奏することもそこまで難しいわけではないので、是非ご興味をお持ちになられた方は弾いてみていただいて、よりこの曲の素晴らしさを味わっていただければと思います!
もちろん他にも、弾いてみたい曲は何でもレッスンでお気軽にリクエストくださいね(^^)
それでは本日もありがとうございました!