こんにちは!
東京都内を中心に、関東近郊に20か所ほどある完全個人レッスンのピアノ教室、エルピアノスクールのブログです。
本日も「ピアノ名曲探索! 〜名曲を知る〜名曲を聴く〜」ということで、是非ご紹介させていただきたい名曲について書かせていただきたいと思います。
今回ご紹介する名曲は、、、
ベートーヴェンピアノ協奏曲第5番「皇帝」第一楽章です!!
〜ベートーヴェンピアノ協奏曲第5番「皇帝」第一楽章〜
全3楽章から成るこの曲は、とりわけ第1楽章がとても有名で、おそらくみなさん一度は耳にしたことがあるのではないでしょうか?
テレビなどのオープニング等のバックミュージックや、映画の感動シーンで使われることが多いんです!
まずは巨匠ツィメルマンによる皇帝第一楽章をお聴きください!
それではこの曲を詳しく見ていきましょう!
まず作曲者はというと、以前このコーナーでご紹介させていただいた『交響曲第9番「合唱付」』と同じく、ベートーヴェンが作曲しました。
(以前の記事はこちらです。 〜ベートーヴェン交響曲第9番合唱付〜)
今回はピアノ協奏曲ということで、「交響曲」と「協奏曲」の違いについて少しお話しさせていただきたいと思います。
交響曲は全ての楽器が対等となって一つの響きを作るのに対して、協奏曲には必ず「ソリスト」が存在します。
つまりそのソリストを中心として、オーケストラはいわゆるソリストの引き立て役となるわけです。
ベートーヴェンは全部で5曲のピアノ協奏曲を作っており、本曲は一番最後の協奏曲となります。
最後なだけあって5曲中一番弾くのが難しいとされており、しかも40分ほどある大曲なので、弾くのには相当な体力が必要です!
エルピアノスクール、東久留米教室の「竹田悠一郎」先生も、以前に試験のために全部演奏されたそうですが、一回通した後の疲労は半端なかったとのこと(汗)
この曲はベートーヴェンが40歳頃に作曲をしたのですが、曲の副題である「皇帝」は本人が名付けたのではなく、後年になってどなたかが名付けたそうです。
クラシック音楽の曲は本人が名付けず、後年になって誰かがつけるといったことがよくあります。
有名なところで言うと、ショパンの別れの曲もそうですね。
では、皇帝と名付けられる理由はどこにあったのでしょうか?
作曲された当時、ナポレオンが率いるフランス軍とベートーヴェンが住んでいたウィーンのあるオーストラリア軍が争っていましたが、フランス軍に敗れウィーンは砲撃されてしまいました。
ベートーヴェンの住む近くにも被弾し、弟のカールの家に避難していたそうです。
この砲撃の影響で、ただでさえ進行していた難聴がますますひどくなったといいます、、、。
フランス軍に敗れて不自由な生活を送る中、フランス軍に対する憤りが募り、怒りやストレスを曲にぶつけたわけです。
そういった背景があったため「皇帝」と名付けられたのではないかと言われています。
この曲の象徴的な特徴として調性が挙げられます。
クラシック音楽界では、キャラクターやある行事を決まった調で表すことが多く、今回の皇帝や王様といったものを「変ホ長調(ポピュラーミュージックでいうところの「E♭メジャーキー」)」で表します。
非常に気品と力強さがあり、神々しい雰囲気のある調です。
この曲が変ホ長調で「皇帝」と名付けられたから、後の変ホ長調が皇帝や王様と言ったイメージになったのではないでしょうか。
(変ホ長調=皇帝)
↓変ホ長調の音階はこちら
もう一つの特徴として、曲の初めから「カデンツ」と呼ばれるいわゆるピアノの自由なソロから始まります。
これは協奏曲としては珍しく、通常カデンツは曲のクライマックスで用いられることが多いのですが、それが冒頭にあるこの曲はどんな感想をお持ちになられたでしょうか?
実に神々しくて、断固たる意思の強さなどが感じられたのではないでしょうか?
冒頭のカデンツは下の音域から上の音域へと軽快に上っていき、キラキラとしたトリル(音楽における装飾音のひとつで、鍵盤楽器では2本の指で2つの鍵盤を交互に弾いて行う)がとてもかっこいいですよね!
この最初のカデンツの部分がテレビなどのBGMで使われることが多いので、是非みなさんも皇帝が使われているか気にしてみてください!
はい、ということでいかがでしたでしょうか?
先日に続き、またもやベートーヴェンの傑作をご紹介してしまいました(笑)
ほんとに名曲の数々に驚かされます、、、、、。
実はピアノ協奏曲5番「皇帝」の第一楽章ももちろん傑作ですが、次の第二楽章がたまらなく好きなんです!
二楽章を聴くと本当にとろけるほどうっとりして癒されます!
どんな曲なのか、ものすごく気になりますよね!!??
それはまたのお楽しみにしましょう(笑)
それではまた次回のピアノ名曲探索もご期待ください!
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